2019-02-27
昨日朝のテレビで「AGEs」の事を取り上げていたので、今まで私なりに調べました事をお知らせします。
AGEsとは Advanced Glycation End Products
の略で日本語では「終末糖化産物」と訳されています。
AGEsとは、体をつくるたんぱく質を攻撃してその機能を低下させる恐ろしい
ものです。
AGEsは食べ物から体内へ取り込む場合と体内でたんぱく質と糖を体温によって生成する場合があります。
1912年AGEsを世界で初めて発見した人は、フランスの科学者であり物理学者でもあるルイ・カミーユ・メラール氏です。
この人は、たんぱく質が20種類のアミノ酸で構成されていて糖質と一緒に加熱すると
褐色になることを発見しました。その反応を「メイラード反応」と呼びます。
たんぱく質の糖化反応です。
「メイラード」はこの人の名前の「メラール」さんの英語読みから名付けられました。
パンケーキ、食パン、焼おにぎり、お好み焼き、たこ焼き・・・などが当てはまります。一方プリンのカラメルソースのように糖質だけを加熱してもAGEsは発生しません。
また料理方法によってもその生成の度合いは違うようです。
揚げ物や焼き物調理は大量のAGEsが発生して、調理温度の低い煮物や蒸し物は発生量が少ないのです。生で食べるか蒸し物料理が良い食べ方と言うことです。
それから肉を焼く場合でも、下ごしらえとして肉にレモン汁をかけてから焼くと
AGEsの量は劇的に減るという実験結果があります。私はレモンよりクエン酸量の多い梅酢を使っています。
AGEsの害を受けやすいたんぱく質の一つに「コラーゲン線維」があります。
これは体内のたんぱく質の30%を占め体形を保ったり血管や肌の弾力性や柔軟性といった機能性を保ったりする重要な役割をしています。
AGEsの害を受けると動脈硬化になったり、しわが出来たり肌がたるんだりして
見掛けが老け込むという、できれば避けて通りたい状態を引き起こすことになります。
体内で作られるAGEsには星の数ほどの種類があり、現在その生成経路を知ることによって、タイプ別の抑制することに効果的な物質をみつける研究がなされているようです。
たとえば先程のコラーゲンにのみ生成するAGEs(CMAカルボキシメチルアルギニン)化を加速させるメチルグリオキサールの生成を抑える為にはビタミンB1(豚肉、豆など)をこまめに摂ることです。ビタミンB6(マグロなど)もメイラード反応の最初の反応を抑制する効果があります。
また酸化ストレスが原因のAGEs(CMLカルボキシメチルリジン)に対しては
ポリフェノールやカテキンなどのフラボノイドが効果的です。ただし摂り過ぎは逆に酸化を促進するので、普通にお茶やワインを飲む程度がよいのです。
2018/11/22のブログで書きましたが、梅を食べることによってクエン酸を体内に取り込みエネルギー産生を助けることで(CELカルボキシエチルリジン)というAGEsの生成を抑制し、その結果として目の水晶体にAGEsが溜まることによって起こる
白内障の発症や、腎機能の低下を抑えられる事が実験で確認されました。
梅干しや梅エキスを食べるのは、運動前の方が効果的です。
それから妊娠初期でつわりが起こる時などにケトン体という物質が増加することが分かっています。このケトン体から前記のCELというAGEsが出来ることから考えると、つわりの時に酸っぱい物が欲しくなるのは、このためかも知れません。
細胞内に糖質が足りなくなると、エネルギーを作り出す材料が少なくなるので、
クエン酸回路でアセチルCoAという物質が足りなくなり、その不足分を補うために
脂肪を分解してアセチルCoAを作り出します。この時にケトン体が生成するのでこれを防ぐためにクエン酸を食べ物で摂取することは糖化を防ぐことに重要です。
それと過度の糖質制限はケトン体を作ることになるので、からだの為に良くないことがお分かりでしょう。今人気の完全糖質制限ダイエットはからだの自然の摂理に反していると思います。
AGEsは加齢とともに増えていきます。ヘモグロビンA1cの値が標準よりも高い人は、糖化が進んでいるということです。その増加は加齢関連疾患につながる事が分かってきました。
これに対抗する手立てはAGEsを抑える成分を意識的に摂ることです。
クエン酸はその代表的な存在です。
どうか食卓に梅干し、梅エキスを常備して毎朝お召し上がりください。
※梅酢は、吉池赤坂店で販売していますのでよろしくお願いします。
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